1997/10〜12
『いちねん』:97/10/2 『馨る』:97/10/8 『すすき』:97/10/24 『烏（カラス）』:97/11/05 『澄水めぐり』:97/11/26 『寒い』:97/12/4 『むう観察記録』:97/12/26
 武庫川散歩レポート 1996年 10月〜12月 |
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ああ！！、すごいことだ。
なにがって、もうすぐ
一念が、じゃない、一年が過ぎようとしているのです。
去年の10月8日に立ち上げて、
おお！感動の一周年。
思えば最初は写真に苦労しました。
古いコンパクトカメラをリュックに入れて、これがコンパクトとは言いながら重くて．．．
スキャナももってなかったもんだから、仕事先のスキャナをこっそり拝借．．．．
Photoshopもなかったし、未修正のナマ写真(?!)をそのまんま．．．
写真の更新がままならないもんだから、
その分レポートで補おうと、レポートでは一ヶ月に６回更新した事もあった。
う〜ん、若かったのね。エネルギッシュだったんだワァ。
当時は、
仕事のためパソコンに向かうんだけど、
すぐにＨＰの世話をしたくなるんだなぁ。がまんするのが大変だった。
ＨＰ一念の日々でした。
その後、
お金をはたいて、カメラとフィルムスキャナとPhotoshopをＧＥＴ！
比重が写真に移ってきたのが１月頃かな。
そして、テレビ「リバーウオッチング」にでたのが３月。
テレビ出演は私には事件だったなぁ！。
さて、
武庫川の四季も一巡して、再びいい季節になってきました。
これからまた、新しい気持ちでページを重ねていきたいです。
そして、もう少し更新回数をふやすようがんばります。
いつも見てくださるあなたに．．．．．
虹だとか、ここんとこメルヘンっぽいのがちょっとこっぱずかしいのですが、
今日のテーマは「風が馨る」ということ。
川までの道でただよってくるキンモクセイの馨り。
この香りの威力は強力。
重ねて、誰にも（つまり私にも）この香りと共にしまわれている「想い出」があって、
それが、はた目にはわからない気持ちのウチっかわでツーンと心の奥を刺激する。
う〜っ！くそっ！なつかしいじゃないか。
やめてくり〜っ。
思い出してしまうじゃないか。
そんな感じで、やたら強引に、どこか切ない（キンモクセイの色に近い）セピア色の映像がうかびあがってしまって
我ながらあわてる。
今、思い出してしまったら、その想い出の「濃さ」が薄れるような気がして、
もっと人生の先で引っ張り出した時の「想い出の新鮮さ」が保てないような気がして
あわててしまいこもうとする。
．．．．．キンモクセイの馨りの力はすごい。
今、すすきがすごくきれいです。
穂が出たばかりのすすきは銀色。輝いている。
それから、
穂が少し開きかげんになると、銀色に少し紅がさして、川の風にゆれます。
たくさんのすすきが、同じ方向に穂をたれ、
それを透かしてみる川面は、いつもの川と違ってみえます。
すすきという草、とても地味なのに存在感がある。
風景にすすきが入るだけで「絵になる」。
風にゆれるとまた良い。
「季節のうつろい」なんて普段使わない言葉が頭に浮かんで、ひとり照れたりする。
そういえば、月にも似合う。
満月とお団子とすすき。月の中ではウサギが踊りながら餅つき。
メルヘンですねー。またちょっとはずかしい感じもするけど、でもメルヘン。
だがしかし、
この美しい高貴といってもいいすすきの輝きも、そのいのちはみじかい。
美しくおれる時間はとても短い。
それはとてもかなしいんだなぁ。
その変貌はとってもつらい。
お月見の時を除いて、すすきを手折って持ち帰ったりしてはいけない。
「まぁキレイ！ステキ！」なんて言ってると、
翌朝
「うわっ！」と驚くことになる。
きっと、すすきの前で、浦島太郎の玉手箱のふたが開いちゃったんだ。
あんなに光ってたのに．．．．
こんな白髪のよぼよぼばあさんになっちゃって。
さわったらふわぁんと綿のような種子が飛んで、持ったらすごく軽い。
あんなにどっしりとみずみずしかったのに。
あんなにアーだったのに、コーだったのにィ．．．．
あまりの変化に恨めしい気持ちさえ浮かぶけど、
同時に、
あぁ秋も終わりかぁ、今年も早かったなぁ。
あぁもう私も若くないしなぁ。
人生かぁ．．．．．。
で、
どことなくしゅーんとして、悲しくなって、
そして、なんでか腹が立ってくる。
こんなもの持ってかえったばっかりに！
だからね、
すすきは川原で見て楽しむものです。
川原で見るすすきは、ほんと美しい！！。
もちろん武庫川にもカラスがいます。
人間が棄てるゴミのあたりにいることが多い。
みちづれ犬の文太にとっては、大好きなシマを荒らす憎き相手で、
カラスを見ると最初は興奮して綱を猛烈に引っ張りました。
ところが、当のカラスは、その文太の興奮を横目で見ながら、冷然としている。
文太が綱につながれて自由が効かないことをよく知っているようでした。
近づいても、トットッと2、3歩遠ざかるだけで、飛び上がるどころか
「何コーフンしてんの〜。あほちゃう」てなサメた態度。
いつも水辺のカモなどを追いかける文太に「君はバカか」と言っている私も
カラスに馬鹿にされる様子を見ると、さすがにかわいそうになる。
カラスは大変、頭が良い鳥のようです。
先日読んだ本に、
固いクルミの実を、赤信号で止まった車のタイヤの前において割る、とか
食べ物を後で取り出せるようこっそり隠す（貯食）とか
公園のすべり台を全くの遊び心ですべって遊ぶとか
実に「人っぽい」行動が報告されていました。
実際、あの「カアー〜」の声にしても、何かその時々のニュアンスが含まれているように感じます。
川原の清廉なシラサギや、
王者の貫録アオサギ、子連れで遊ぶカモなどを見て土手にあがってくると、
そこのゴミだまりに真っ黒のカラス。
どうもカラスのほうは歩が悪いですね。
イメージが悪いんだワ。
雑食性のずぶとさが時に哀しい習性に感じる。
カラスを見て感動することはあの黒さ。
嘴からしっぽ（尾羽）の先、足の先まで真っ黒。
白いシラサギでも足や嘴は黄色かったり黒かったりするのに
カラスは全身徹底的に黒。
ちょっと前のことだけど
東大阪の石切神社にお参りしたとき、
神社前の漢方の店先で烏の黒焼（からすのくろやき）を見たときは笑いました。
そこにはイモリの黒焼きやミミズの黒焼きやいろいろあって、どれも強壮剤のようでしたが、
カラスは始めっから黒いんだから
黒焼きにされても他の黒焼き連中とは違って「観念した」という感じがしない。
「黒焼きてねぇ、ボクは元々黒いンヤ。ええかげんにしーや、ほんまに．．．．」
まだカラスのつぶやきが聞こえてきそうでした。
黒いカラスと白いシラサギを合わせて「烏鷺」（うろ）。
これは、囲碁の事。しゃれてます。
白と黒の碁石を使って盤面で陣地取り。
ちょうど武庫川の川原や土手で陣地取りが展開されるようなもんでしょうか。
しかし、「烏鷺」と書くと格調高いですね。
最近は文太も、カラスを見て興奮することはなくなりました。
私は、
カラスが（車でクルミを割るような）工夫をするところを見たくて
このごろ
注目してます。
私がなんで、こうやって毎日武庫川に出かけられるか。
その理由の大きなものは、意外かもしれないけど、水が澄んでいるから、です。
近くに住んでいるけど武庫川に近寄らない人や、
昔、武庫川で遊んだ人（今は行かない）といった、
ちょっと武庫川を知ってる（つもり）の人が最も武庫川の水を汚いと思っている。
「だっていっつも電車から見てるもの」
．．．いえいえ、電車から見てもわからない。
「車から見たらゴミだらけやないか！」
．．．確かに堤防のそばはゴミが多い。でも車道のそばだから汚いのかも。
こんな人口の多いところを流れてるのだから、「清冽」とはいいませんが、
「清らか」と表現してもいいポイントはいっぱいあります。
石ころも最近の温かさでぬるぬるしたものが付いてたりしますが、
それは別にヘドロじゃない。
武庫川は「山の渓流」じゃなくて「里の川」なのだから、そこそこ「人の垢」というぬくもりをもっているのがいい。
そして、そういう気持ちで武庫川に出かけると、「きれいヤン！」ということになる。
実際、きれいです。うひゃー！！といいたくなるほど澄んだ水の場所があちこちにある。
めずらしくここに写真をのせます。
なかなか、写真で「澄んだ水」を撮るのは難しいですが、 この写真は、なんとか雰囲気がでてるので．．．。
ここは深さが1メートル以上あります。
どうです！
きれいでしょう！。
ハヤなどの小魚の群れが、
一瞬に方向転換をしたりするのをみる事が出来ます。
水底まで青々と透明で、涙出そう。
私が毎朝、飽きもせずに武庫川に行くのは、 朝の散歩で澄水めぐりをしてるってわけです。
昨日の朝、氷が張った。
北風が吹いてめっちゃ寒かった。
冬だし、12月だしね、寒さも氷も北風も、まぁ必然の要素だけど、
あんまり急やないですか！ といいたい。
武庫川で鍛えている私にも、気持ちの段取りというもんがあるやないですか。
心構えがなかった。
だから、う〜っ！ さむかったぁ！
文太は元気が研ぎ澄まされたみたいだったけど、私はほっぺたが凍るかと思った。
けど、
水はすんごく澄んできれいだった。
温度と水の透明度は反比例の関係にあるかもしれない。
いつも冬の初め、寒さのあまり気持ちがめげる
今、こーんなに寒くて、この冬越せるかなぁ。たまらんなぁ。いやだよぉ。つれぇ(辛いことよ)。
寒いのは苦手だ。ぬくぬくとしていたい。
でもね、あらふしぎ。
もう少しして、本格的「冬」が来たら、体のほうも冬バージョンに（やっと）なって、
寒さよ来い！と、やってきたまえ！と、えらそうな態度になる。
寒くなくなっちゃうんだ。平気になる。
よく、寒い冬の朝は大変でしょう？、と言われるけど、ぜんぜん。
私の散歩時の装備を申し上げますと、
冬の初めは、結構厚着して、ウールや化繊系の衣類で完全防備する。
けど、冬真っ盛りになると、だんだん木綿系の衣類が増えてくる。
マフラー代わりのタオルから、軍手、綿ソックスにいたるまで
けっきょく、コットンです。
汗をかくんだよね。
どんな寒い朝でも汗をかく。
だから、綿がいいです。
今、私は、初冬のきぶくれ状態から、スリムなコットン生活に移行する過渡期で、
今日、何着るかなぁ、と毎朝逡巡してます。
このごろの散歩のメインは、写真でも紹介してるけど、
はい、そう、ヌートリアのむう君です。
私の行く先に必ずいる、というのが今の状況です。
武庫川にいる、飛ばない生き物としては、むう君が最大で、とても存在感がある。
しかし、こう出会う事が多いと、やっぱ、きっちり観察しないとね。
以下、文献をあんまり調べないで見たままの観察記録です。
●体のかたち
大きさは、だいたい太った猫、かた太りの黒ウサギという感じ。
毛の色は濃いこげ茶。
顔は猫よりもずっと馬ズラで、でかい鼻の穴、ちっこい目と耳が特徴。
しっぽは根元が太くて先細り。体の長さくらいあると思う。
前足は小さくて細く、後足はどっしりと立派。
●泳ぎ
泳ぐときは、鼻の穴に水が入らないようにか、顔を上げて犬掻きっぽい。
しかし、泳ぎを上から見ると、カメみたいに四方に足がでてカエル泳ぎってかんじ。
顔をあげて泳ぐので、スピードはのろい。急な方向転換をするときはもぐる。
流れの中で動かずに浮かんでいる事も多い。
水に浮かんだむう君と向き合うと、鼻の穴がとっても目立つ。
●そのほかの動作
常は釣り人が好むような土の水辺にいる。全く土の色にそっくりで、
よく見ないと気づかない。人や犬が近づくと水中へ逃げる（潜水）。
危険が去ると、再び土にあがって、
まず、身震い（水を飛ばす）。
そして、ちっこい前足で顔をなでたり前足をなめたり（猫みたいに）。
口元はウサギに似ているけど顔の割に小さい。
口元にピンクの舌がみえてとってもかわいい。
目は小さいけどくりっとよく光って、こっちを見てるとよくわかる。
●鳴き声
このむう君、とっても無口なんだけど、実は鳴くのです。
じじじじじじじじじじ、と地虫(?)のような低い音です。
じっと耳をすませて注意していないと分からない。
この、じじじじじじじじ、を何回か繰り返してお互いを呼んだりしているみたいです。
●食べ物
潜りのうまさから、最初は魚などを食べているのかと思いましたけど、
どうも草食性のようで、川原にたっぷりある草がごちそうかな。
川原で畑を作っている人が結構いるから、そんな畑の大根などを食べてるのかも。
始めてこのむう君を見たとき、以前にも書きましたけど、
「カワウソだ！！」と思った。
そんなワケない！と言われつつ、結構しぶとくカワウソ説をとなえていた。
後で知ったけど、カワウソのほうがずっとスマートなんですね。
ともかくこの生き物、
動作がおっとりしていて、とっても観察しやすい。
水辺の楽しみがぐーんと増えました。
